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 ボサノヴァのリズムはほとんどサンバと同一のものです。サンバがこの世に存在しなかったとしたらボサノヴァが生まれることもなかったでしょう。ボサノヴァとは一味違うし、ボサノヴァを好きになったブラジル音楽初心者が聴いても、あまり面白みの無いサンバもあるかもしれません。しかし、サンバはボサノヴァと違い多くのブラジル人が今も楽しんでいる音楽です。ここでは、ぜひこれだけは押さえておいてほしいサンバを紹介していきます。

ネルソン・カヴァキーニョ(Nelson Cavaquinho)『セリエ・ドクメント』

 サンバでもネルソン・カヴァキーニョほど歌声が塩辛くなってくると、洗練された音楽を求めるボサノヴァファンにオススメしてもいいものかと少し躊躇しますが、僕自身はとっても好きなサンビスタなので紹介してしまいます。 ネルソン・カヴァキーニョはカルトーラと並ぶシンガー&ソングライター。その渋すぎる歌声と独特のアタックの強いギター奏法が印象的で、一度聴いたら忘れることのできない強烈なキャラクターを持っています。もちろん彼の作る曲もカルトーラに勝るとも劣らないエレガントさがあり、ベッチ・カルヴァーリョや、多くのサンバ歌手から愛されています。DVDにもなっている映画『サラヴァ』の中で、パウリーニョ・ダ・ヴィオラがマリア・ベターニアにねだられてネルソンのギター奏法を真似ていたのが印象的でした。本物がこのアルバムの6曲目で聴けますよ! 余談ですがボサノヴァのミューズ、ナラ・レオンはファーストアルバムでネルソン・カヴァキーニョの曲を歌っています。

ベッチ・カルヴァーリョ(Beth Carvalho)『ムンド・メリョール』

 近年のブラジル音楽発掘ブームによって、サンバの女王ベッチ・カルヴァーリョが、実はボサノヴァ歌手としてデビューしていたことが一般的に知られるようになったわけだけど、僕はやっぱりサンバを歌うベッチが好きだ。なかでもこの1976年作『すばらしき世界』は、カルトーラ、ネルソン・カヴァキーニョ、マルチーニョ・ダ・ヴィラらの一級の“すばらしい”曲を、初期のフンド・ヂ・キンタウのメンバーがバッキングを務める“すばらしい”サウンドで聴かせる傑作で、いまだに愛聴している。現在ブラジルでとても人気のあるサンバのスタイル“パゴーヂ”もベッチがいたからこそ出来上がったといっても過言ではないのです。

パウリーニョ・ダ・ヴィオラ&エルトン・メデイロス(Paulinho Da Viola & Elton Medeiros)『夜明けのサンバ』

 最も上品なサンバ歌手は誰かと考えると、やはりこのパウリーニョ・ダ・ヴィオラが真っ先に頭に浮かびます。これは1966年、24歳の時に先輩歌手であるエルトン・メデイロスと録音したファーストアルバム。パウリーニョといえば“もっと聴きたい人のために”で紹介したDVD『サラヴァ』でバーデン・パウエルと共に、キーマンとして出演していた映像が印象的ですが、このアルバムはまさにあの頃のブラジルのサンバのおいしい部分が凝縮されていると言えるでしょう。カーニヴァルのサンバのイメージしか知らない人には衝撃的ともいえるほど優雅で美しい世界ですよ。

カルトーラ(Cartola)『カルトーラ2』

 カーニヴァルの時にパレードをするサンバのチームのことをエスコーラ・ヂ・サンバというのですが、そのなかでも名門中の名門『マンゲイラ』の創設者がこのカルトーラ。このアルバムは68歳の時のアルバムですが、そんな高齢を感じさせない瑞々しい感覚が素晴らしいです。カッコよさだけを追い求めるものの、何年後かにはものすごくカッコ悪いものになってしまうポップミュージックとは、次元の違う芸術性すら感じさせます。ボサノヴァのように複雑なコード進行を使っているわけではないけれど、心に染みるメロディーラインとサンバ独特の7弦ギター(名手ヂノによるもの)やパンデイロ等のサンバ独特のバッキング演奏をぜひ聴いてください。映画『セントラル・ステーション』の最後に使われてた「自分を探して」がこのCDに入っています。 (この文章は以前あった「最近のお気に入り」というコーナーで1999/4/13に紹介したものに加筆訂正したものです)

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