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現在進行形ブラジル音楽

 このコーナーではボサノヴァ以降の音楽で、MPBよりも更に新しい時代から現在に至るブラジル音楽を紹介していきます。

アドリアーナ・カルカニョット(Adriana Calcanhotto)『ペルフィウ/ベスト』

 現在進行形MPBといえる音楽を作り得るアーティストは数えるほどしかいないというのが今の僕の正直な感想ですが、このアドリアーナ・カルカニョットはその希有な存在の一人です。サンバからボサノヴァ、MPBに至るブラジル音楽のエッセンスをきちんと継承し、なおかつ現代的なアレンジを加えつつも欧米の音楽から過度に影響を受けないその姿勢は孤高と言っていいでしょう。このベストアルバムは大ヒットしたカヴァー曲「デヴォウヴァ・ミ」から始りますが、他はほとんど彼女のオリジナル曲で、少しアンニュイなヴォーカルとヨーロッパ的なサウンドが融合した彼女独特の世界をダイジェスト的に楽しめます。ちなみに彼女はギター1本で自分を表現できる力量も持っているので、ぜひ来日してそのパフォーマンスを日本のリスナーに見せてほしいところですね。

パトリシア・マルクス(Patricia Marx)『ヘフェレンシア』

 サウンド的には全くボサノヴァではないので、すべてのボサファンにオススメという訳ではないけれど、個人的にとても評価している女性歌手がこのパトリシア・マルクス。彼女は幼い頃にデビューしているのでキャリアはかなりあるものの、前々作まではポップスを歌っていたり、日本からの依頼でボサノヴァを歌っていたりしていました。ところがプロデューサーで夫でもあるBruno Eとコラボレーションを始めた前作『ヘスピラール』で、突然エレクトロニカ/ドラムンベース路線に転向。麻薬のように甘い歌声と、クールで都会的なサウンドが融合した極上の最新型ブラジル音楽を作りあげたのです。ここに紹介する『ヘフェレンシア』はBruno Eとのコラボ第2段。前作の路線をさらに推し進めた深みのあるプログラミングサウンドを聴かせてくれます。

ベベウ・ジルベルト(Bebel Gilberto)『タント・テンポ

 ボサノヴァがエレクトロニカと相性がいいことは、テイ・トウワが1994年にリリースしたソロアルバム『フューチャー・リスニング!』で証明済みだったけど、そのアルバムでマルコス・ヴァーリの「バトゥカーダ」を歌っていたのが、ボサノヴァの創造神ジョアン・ジルベルトと、自称スーパーボサノヴァマニアであるミウシャとの娘、ベベウ・ジルベルトでした。そのベベウが敏腕プロデューサー、スバと作り上げたのがこの2000年の傑作『タント・テンポ』。ここではテイ・トウワ作品よりもさらにアコースティック楽器とエレクトロニクスの自然な融合が計られ、その上で優雅に歌うベベウのヴォーカルも文句無く素晴らしい。ちなみにスバはこのアルバムの完成直後事故によって早世してしまいました。

セルソ・フォンセカ&ホナルド・バストス(Celso Fonseca & Ronaldo Bastos)『Juventude/Slow Motion Bossa Nova

 現代のブラジルで、上質なうえに単なるオリジナル・ボサノヴァの焼き直しでない音楽を作れるのはセルソ・フォンセカをおいてほかにいないといえるでしょう。ギター、ヴォーカル、アレンジの全てがとても魅力的でバランス感覚も最高。このアルバムは2002年の作品ですが、個人的に現在までの最高傑作だと思っています。ミゲル・ヒオ・ブランコのカラフルな写真に包まれた麗しい音は、きっと貴方にリッチな疑似ブラジル体験をさせてくれるはず。ちなみに共作者のホナルド・バストスとは詩人で、上質なボサノヴァ/MPBの再発、新譜をリリースしているドゥバス・レーベルのオーナーです。

エドゥアルド・グヂン(Eduardo Gudin)『エドゥアルド・グヂン&ノチシアス・ドゥン・ブラジル』

 エドゥアルド・グヂンはサンパウロのシンガー&ソングライター/ギタリスト。このアルバムは94年の作品で、モニカ・サウマソなんかも参加しています。とにかくグヂンの書く曲が素晴らしい。基本的にはボサノヴァと言ってしまっていいと思うのですが、リオやバイーアの、夏、海、真昼、的な感じは無く、いかにもサンパウロらしい都会的でクールなサウンドです。コーラスのコード感覚も複雑で、全体的に知的なイメージなんですが決してこむずかしくはなく、考えられてはいるけど頭だけで作っていない肉体性も感じられます。ジョビン亡き今、彼を継ぐことができるのはグヂンなのではないかと密かに思っているのは僕だけでしょうか。(この文章は以前あった「最近のお気に入り」というコーナーで2000/9/6に紹介したものに加筆訂正したものです)

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